オネゲル:交響曲第2番(弦楽のための)


「弦楽のための」交響曲ですが、オプションでトランペットが1本含まれています。このトランペットはたいてい加えられて演奏されているようです。

オネゲルのシンフォニーは、悲しげなものが多いです。この2番は、音色が揃っている弦楽のために書かれているため派手さもそれほどありませんし、そのうえ不協和音が多くサウンドは複雑です。第二楽章には「メスト(悲しく)」とまで指定されています。非常に渋い曲と言えると思いますが、この弦楽の緊張感が私は好きです。

そして、25分ほどの全曲のうち、第三楽章(終楽章)のいちばん最後の1分にオネゲルはトランペットを加えました。第一ヴァイオリンとのユニゾンでシンプルなコラールが歌われて、緊張から解き放ち、全曲のエンディングに導きます。最後の最後のエンディングは弦だけなのですが、この終わりかたが何とも心地よいのです。