バレエ音楽「屋根の上の牛」

ミヨーのバレエ音楽です。ブラジル音楽に影響をうけたリズムと、ミヨーらしい複調のおもしろさがミックスされた「変な楽しい曲」です。
楽しげなメインテーマが調をどんどん変えて現れます(長調は全部)。
(ここから少しマニアック)
転調は次の2つのパターンのみです。

長調だけ順に並べると(フランスの曲だけど調性はなぜかドイツ語)、
C-Es-Ges-A, G-B-Des-E, D-F-As-H, A-C
となります。ハ長調からハ長調まで行って、終わりです。
複調の方もいろいろな仕掛けがあります。思い出すだけでも、

  • Ges dur(弦+木管)のところに同じ和声進行でC dur金管)を重ねる。
  • Des durのメロディに1小節遅れでおなじメロディをB durで重ねる。
  • Cis mollとE durのメロディを同時に、楽器を変えて2回繰り返す。伴奏は前半はCis moll、後半はE dur。
  • D durのメロディを2回繰り返し、ただし2回目はFis durB durの同じメロディが重なる。

など。
スコアを見たことがないので、たぶん実際はこの5倍ぐらいのマニアックな複調があると思います。

さてトランペットパートですが、メインテーマは全部やっています。その他出番はたっぷりです。小編成の曲なので、圧倒的な音は要求されませんが、量的にもテクニック的にもしんどいです。1stと2ndがほとんどおなじことをやっているので、パート譜は共通になってました。
東京の前のオケでやったのですが、私は降り番+練習での代吹きでした。