らっぱと平均律


いま我が家で話題になっていることのひとつが平均律についてです。
和音を鳴らす場合、その振動数の比率が簡単な整数比になっているときれいな響きがするというのは音楽辞典にも書いてあるし、私も感覚としてわかります。
これに対して、ふつうのピアノは平均律に調律されているので、和音を鳴らしても正確には振動数の比率は整数比にはなり得ません。平均律では1オクターブ(振動数の比率は1:2ですね)を12等分した比率で調律しているので、半音の振動数比は2の12乗根(=1.059463094359295・・・)という無理数になり、オクターブ以外の音程は整数比にならないというのが理屈です。ピアノの和音は美しくない、というのも一理あるなと思います。

さて、らっぱはどうなのでしょう。らっぱでは、ピストンを押さえない状態だと下から
  ド??ド??ソ??ド??ミ??ソ??シ♭??ド??レ・・・
というように音が出ます。これは「自然倍音列」というもので、これらの振動数比は
  1:2:3:4:5:6:7:8:9・・・
になっています。最初に書いたドが基音(ペダルトーン)です(これはらっぱでは出しにくいのですが)。
結局3つのらっぱで、ピストンを押さえずに真ん中のドから上にドミソの和音を吹くと、振動数の比率が4:5:6になって、きれいな響きがするというわけです(チューニングが合っていることが前提ですが(^^;)。そういう意味ではらっぱは平均律的楽器ではないと言えると思います。

ところが、ピストンを押すと話はややこしくなってきます。トランペットでは、ピストンを押さえない状態の自然倍音列は出せない音(2番目のドと3番目のソの間のレやミなど)を出すために、ピストンを押さえることによって管の長さを長くしています。この時どういう割合で管の長さを長くしているのでしょうか。これが今の疑問です。ここで平均律の考え方が使われているのでしょうか...。考えていると全然時間が足りないので今日はこれくらいにしておきますが、また勉強して書いてみたいと思います。