B管か、A管か

チャイコ「悲愴」のクラリネットパートの譜面は全曲A管である。らっぱパートの譜面は第1楽章がB管、2〜4楽章はA管である。
ロ短調の曲だから、らっぱも全曲A管でもいいような気もするが。
展開部のあたりにらっぱが多く活躍する場所があり、その場所がニ短調になっているからかなとは想像できる。

(楽器の調性の話は、次の本に詳しい。

  • 名曲の「常識」「非常識」―オーケストラのなかの管楽器考現学名曲の「常識」「非常識」―オーケストラのなかの管楽器考現学

この曲のことは書いてなかったが...)

もちろんA管のらっぱは現代にはほとんどないので、全曲B管で吹くつもりである。C管も持っているが、やっぱりロシア物はB管というイメージがある。
さて、B管で書かれている第1楽章であるが、曲の最後に出てくる第2主題(ミレドラソミソドーーラソーーーというやつ)はロ長調になって、最後にらっぱが印象的なコラールを奏でる。(ラーーードーーレファミーーー、ラーーードーーレレ#ーーミーーー)
この2回のミ(実音はDis)の音程が難しく、ちゃんと合わそうとすると良く音を外すのである。
なぜかなと考えてみた。「ミ」は低めに吹かないと合いにくい(純正調のミは平均率のミより低い)。ところがB管でDisを吹くためには「ファ」(=Es=Dis)と吹かないといけないから、らっぱの持っている自然倍音からいって高めになってしまう。無理に下げようとして外す。こんなことのようである。

という訳で意識してトリガーで管の長さを調節しないといけないということで、ちゃんと練習しておこう。
ここだけはC管で吹いた方が音程がとりやすいかも...そんなことはしませんが。